校長室だより

校長室だより

委員会活動の発展

委員会活動の発展

― 子供たちがつくる学校へ ―

 「今より もっと楽しい学校をつくる!」を子供たちと教職員の共通の合言葉として、今年度の教育活動を進めています。その中で、5・6年生による委員会活動が変わり始めています。

 委員会活動は、4・5・6年生が同じことに興味・関心をもつ異学年の仲間と共に活動するクラブ活動とは趣旨が異なります。学校全体にかかわる仕事を高学年の子供たちが役割分担をして担い、全校の子供たちの生活が充実したものになるようにするという意図があります。そのため、これまでの委員会活動は、日常的に繰り返し行う当番や点検、清掃などの環境整美などが中心になりがちでした。同じ5・6年生でも、自分の委員会以外でどのような活動をしているか、お互いによく分からない状況もありました。

 5・6年生といえば、本校のリーダー(6年)とサブリーダー(5年)です。今、学校の中心となって動くこのメンバーが集い活動する「委員会活動」が、子供たちが自分たちの力で活動する場に変わり始めています。

子供たちが自分たちの力で目標や取り組みの重点課題を見いだし、計画を立て、役割分担をして協働し、取り組みの成果を振り返って自分たちの活動を改善していく…。委員会活動を、このような場にしていこうと、子供たちと教員との対話が始まりました。

まずは、各委員会の目標の設定です。「『今より もっと楽しい学校をつくる』ために、自分たちの委員会でできることは何だろう…。」と考えることからのスタートです。そして、

6年生の委員長を中心に話し合い、各委員会が下表のような目標をきめました。目標の中には、本校が進めてきたSDGsとの関連で、自分たちの役割を考えている姿も見られました。次は、その目標を達成するために「やってみたいこと」について話し合ったり、「『今取り組んでいることが、もっと楽しい学校づくり』にどうつながっているのか」について話し合ったりしました。そして、委員会発足から3か月が経った今、それぞれの委員会が具体的な取り組みを始めました。各委員会の目標や取り

組みを共通理解し、委員会相互の連携を深めるため、各委員会の委員長による「委員長会議」もスタートしました。また、1階廊下の掲示板には「委員会コーナー」を設置し、各委員会の目標とともに、活動の様子を写真やポスターで紹介できるようにしました。このコーナーは、各委員会の子供たちが更新していきます。

 このような取り組みを通して、5・6年生を中心として、子供たちが自分たちの力で学校をつくっていく経験が積めるようにしていきたいと考えています。そして、「自分が動けば何かが変わる。仲間と動けば何かができる。」という実感を、本校のリーダー、サブリーダーが味わうことができるようにしていきたいと考えています。

 <各委員会の目標>

委員会名 目  標
代表委員会 「ありがとう」があふれる もっと楽しい学校に!
集会委員会 八小の1年生から6年生までが もっと楽しくなる集会をしよう
広報委員会 廊下や階段を通る人たちへ 思いを届けられるように きれいに掲示する
体育委員会 みんなが気持ちよく体育ができるようにしよう!
放送委員会 学校のみんなが楽しめるような 放送をする
図書委員会 全校のみんなに 本を好きになってもらう
保健委員会 みんなが健康・安全でいられる 清潔な八小
給食委員会 八小の給食やフードロスへの関心を高めよう!
環境委員会 節電を 特に気にする
栽培委員会 みんなで協力して 植物を育てる

 

 

令和4年度のスタート 『もっと楽しい学校をつくる~「ありがとう」があふれる学校~』

― もっと楽しい学校をつくる ―

「ありがとう」が あふれる学校

校長 船山 徹

 

 令和4年度がスタートしました。今年度も、子供たちや教職員と共にめざす「学校づくりのテーマ」を設定し、その実現に向けて取り組んでまいります。

令和3年度の学校づくりのテーマは、「もっと楽しい学校をつくる」でした。令和4年度の学校づくりのテーマは、これを継続していくこととしました。このテーマの継続を決めた背景には、令和3年度の卒業生が、卒業直前に5年生に残したこのような言葉がありました。

6年生:私たちは、日野八小のリーダーとして、「もっと楽しい学校をつくる」ことを目

指してきました。そのために、「今できること」に、力いっぱい取り組んできま

した。5年生の皆さん。これからは皆さんが日野八小のリーダーとなって、今

よりも、「もっと楽しい学校」をつくっていってください。

 この言葉を受け止めた5年生は、「6年生からのバトンを受け継ぎました!」と力強く答えていました。卒業式2日前のことでした。

 このバトンを受け取った5年生が、今日から最上級生となりました。子供たち自身が引き継いだこのバトンを、本校のリーダーとなった6年生が中心となって、全校の子供たちの力で実現していくことを期待して、このテーマを継続します。

 その実現に向けて大切にしたいこととして、これまでの「今できることに力いっぱい取り組む」ことに加え、「『ありがとう』が あふれる学校」を、子供たちが毎日の自分たちの生活を見つめる視点として投げかけていきたいと考えています。

 私は、「ありがとう」という言葉は、人と人とを結びつける特別な力をもった言葉だと思っています。「ありがとう」は、誰かが自分や自分たちに何かをしてくれた時に、その相手に伝える言葉です。あなたが私にしてくださったことが、私にとって、ともてもうれしいことなのです…あなたのその気持ちに、感謝しています…。そんな意味が込められているのだと感じています。この言葉を受け取った相手は、その瞬間、自分の言動やそこ込めた思いがその人に受け入れられたことを感じます。そして、その思いに相手が喜びを感じ、その人の役に立てたこと、その人の心が動いたこと…などを感じます。私は、ここに「自己肯定感」や「自己有用感」「自己効力感」などのもとがあるのだと考えています。あなたは私にとって必要な人であり、大切な人なのです…。「ありがとう」は、それを伝えることができる、とてもあたたかく、やわらかく、美しい言葉だと思うのです。

「ありがとう」の言葉が、学校のいろいろな場面で聞かれ、学校中にあふれてきたとき、

日野八小は、今よりもっと、お互いを大切にし合える場になるのだと思います。その安心感の中でこそ、子供たちが、今できることに力いっぱい挑戦し、やり遂げるエネルギーと

目標の達成をあきらめない粘り強さを存分に発揮できるようになると考えています。

 今年度、本校では、「ありがとう」の言葉を大切にし、一人一人のつながりを今以上にあたたかく確かなものにしていくことで、「もっと楽しい学校」を目指してまいります。皆様には、引き続き、お力添えをいただきますよう、お願いいたします。

 

第1回「ひのはちESDミーティング」を終えて

第1回「ひのはちESDミーティング」を終えて

 校長 船山 徹

 3月9日(水)に、第1回「ひのはちESDミーティング」を実施しました。これは、本校の特色の一つであるESDの学習で、子供が自分たちで調べたことや実践していることなどを、全校の子供たちに向けて発表するイベントです。本校での新たな取組に、3年生から5年生までの15組・45名の子供たちがエントリーし、その内容を堂々と発表しました。

 冬休みに入る前。各担任から子供たちに「先生たちは、今、こんなイベントを企画しているのだけれど、やってみませんか?」と、この企画について投げかけました。すると、私たちの予想をはるかに超える子供たちが、グループや個人でエントリーしました。それ以来、子供たちは、休み時間や放課後の時間を上手につかって計画的に準備を進めてきました。子供たちが選んだテーマは様々であり、プレゼンテーション画面を工夫したり、ストーリー仕立てにしたりするなど、発表の内容や方法も多様でした。発表に挑んだ子供たちの意欲、アイデア、堂々とした姿は実に素晴らしく、頼もしいものでした。3年生は、「下の学年の最上級生」らしい姿で、5年生は「次の最上級生」らしい姿で、4年生は、「次のリーダーを支えるサブリーダー」になるにふさわしい姿で発表の舞台に立ちました。そして、その姿を1年生から6年生までの子供たちが、リモート中継によって各教室で見守りました。(たちばな学級は、後日、別の形で参観する予定です。)

 3学期の学校づくりのテーマは「バトンを渡す」です。一つ上の学年からバトンを受け取り、一つ下の学年にバトンを渡す…。今できることに力いっぱい取り組み、その姿を互いに見つめ合い、認め合ってこそ実現できるテーマです。一生懸命に発表する一人一人の姿に、「バトンを受けとり、バトンを渡そう」とする思いを感じました。今回の「ひのはちESDミーティング」は、このテーマの実現に向かって子供たちが歩みを進めた大切な場となりました。

 また、このイベントは、教職員と子供たちが、一緒になってつくり上げたイベントであったことにも、大きな価値を見いだしています。教職員が「発表の場」をつくり、そこに子供たちがエントリーし、子供たちがテーマに沿って一番関心のあることや取り組んでいること、チャレンジしてみたいことを発表しました。教員は、子供たちが困った時に一緒に考えるだけで、それ以外は子供たちの姿をしっかりと見守っていました。子供たちは、自分たちで考え、工夫し、練習を重ねて当日を迎えました。そして、その姿に1年生から6年生までの全員で拍手を送りました。教職員が環境を整え、その中で子供たちが存分に学び、力いっぱい活躍する…。本校がめざす学校像「すべての子供の活躍の舞台 日野第八小学校!」に向けて、また一歩、前進することができたと考えています。

 この実践にあたり、発表に挑んだ子供たちのご家族への励ましが、子供たちの勇気と自信につながっていたことも、とても強く感じています。改めて感謝申し上げます。令和4年度の修了式、卒業式まで、あと2週間となりました。子供たちが自信と期待をもって進級・進学できるよう、引き続き力を尽くしてまいります。

   

 メイン会場の様子               

                                    <メイン会場の様子>               <プレゼン資料の展示>

展覧会 生命力あふれる子供たちの夢の世界へ

                                  

学習発表会「展覧会」 

生命力あふれる子供たちの夢の世界へ…

                                  校長 船山 徹

 今週末は、学習発表会「展覧会」があります。コロナ禍の中、教職員と子供たちが工夫を凝らし、準備を進めてきました。

 先週から、子供たちの作品の体育館への搬入と展示が始まりました。はじめは、全校作品づくりです。密になることを避け、1学年・1クラスずつが役割分担をして少人数で体育館に行き、一つ前の学年、前のクラスから作業を引き継ぎ、大きな作品を完成させました。体育館奥の天井一面と、天井から床面にかけての空間を生かし、大きな作品ができました。次に、6年生の子供たちと教職員が展示に必要な資材を運び込み、会場を作りました。一つの仕事を終えると、「他にやることはありませんか。」と教職員に声をかける6年生。頼まれる前に動く6年生。自分たちが活躍すべき場であることをしっかりと自覚し、その期待に応えて作業に取り組む姿は、とても頼もしいものでした。次に、各学年の作品が搬入され、体育館の壁面いっぱいに展示されました。普段は運動する場所である体育館の雰囲気が、一気に美術館のようになりました。そして、今週に入ってからは、立体作品の搬入・展示です。躍動感のある作品、繊細に作られた作品、豪快さを感じる作品、やさしさやあたたかさを感じる作品…どの作品からも、子供たちのアイデアや感性の豊かさ、工夫する力や創造する力を感じ取ることができます。そして、入口の装飾…。冬をイメージして氷の世界を表現しています。白を基調とした氷の世界を抜けると、華やかな子供たちの夢の世界が空間いっぱいに広がります。

 先週末からは、放送委員会の子供たちが、各学年やたちばな学級に取材に行き、作品の見どころを紹介する番組を給食の時間に放送し、学校全体の雰囲気を盛り上げています。

 コロナ禍であり、一家庭お一人、参観時間を区切っての公開となりますが、子供たちの生命力であふれた会場にぜひお越しいただき、子供たちの作品への励ましや称賛の声をいただければ幸いです。

 

〇展覧会テーマ  表そう! わたしの想い

〇スローガン   きらきら光る 個性を 楽しもう

 

 このスローガンは、代表委員会が全校児童に、「どんな気持ちで学習発表会を迎えたいか」と問いかけて集めた「キーワード」を集約してつくったものです。全校の子供たちからは、「自分や友達の作品が輝くように…」との思いを込めて「きらきら」「光る」などの言葉が多く寄せられました。また、一人一人に違いがあるから素敵な作品が生まれるとい意味が込められた「個性」という言葉や、展示された自分や友達、他学年の作品など、たくさんの作品を見て楽しみたいという思いを込めて「楽しむ」という言葉が多く寄せられました。

 そこで、「表そう!わたしの想い」という全体テーマのもとで作られた作品の世界を楽しむ中で、自分が素敵だな…と感じる「きらきら光る たくさんの個性」が見つかるように…という思いを込めて、このスローガンをつくりました。(放送委員会の取材記事より)

3学期のテーマ「バトンを渡す」

3学期のテーマ 「バトンを渡す」

校 長 船山 徹 

 

 新しい年を迎え、新学期がスタートしました。子供たちはそれぞれに「今年の目標」を胸に登校してきていることと思います。子供たち一人一人の目標が実現できるよう、教職員一同、力を尽くしてまいります。

 3学期の学校づくりは、「バトンを渡す」をテーマとしました。

 2学期は、「今より もっと楽しい学校をつくる」をテーマに、様々な工夫を凝らし、今できることに力いっぱい取り組むことを大切にしてきました。3学期も、「2学期よりも もっと楽しい学校をつくる」ことを目指します。同時に、1年間のまとめとなる3学期を充実したものとし、より質の高い「楽しさ」を子供たちと教職員が共に味わえるようにしていきたいと考えます。そこで、大切にしたいことが「バトンを渡す」ということです。

それぞれの学年には、4月から、教職員と子供たちが一緒になって追求してきた「各学年の役割※」があります。その役割を、3学期の間に確実に果たすこと。そして、自分たちが担ってきたその役割を、次の学年に引き継ぐこと…。これが、「バトンを渡す」ということです。

 私は「バトンパス」は、バトンゾーンの中で、渡す者と受け取る者の間に生まれる、「とてもあたたかく力強い瞬間」だと思っています。バトンを手にして全力で走る者は、0.01秒でも早くバトン渡すことを「自分の役割」と考えて全力疾走します。次の走者に近付いても、次の走者がパスを受けるのにベストな状態になるまで自らのスピードを保って走り続け、その瞬間を待ちます。受け取る者は、スタートを切った瞬間から可能な限りの短時間でスピードを上げ、バトンを受け取る体制をつくります。お互いの体制が整ったその瞬間に、しっかりと握りしめて走ってきたバトンは、自走者の手のひらにグイっと押し込まれ、次走者は前走者がそうしたように、しっかりとそのバトンを握りしめます。そして、さらに次の走者にこのバトンを渡すという責任を胸に、自分の走路をしっかりと見つめて全力で走ってきます。前走者は、期待を込め、願いを託してその背中を見つめ、見守ります。バトンは、こうしてつながっていきます。

 私は、3学期の日野八小を、バトンを渡す子供たちの姿でいっぱいにしたいと思っています。子供たちが、各学年の自分たちの「役割」を踏まえつつ、今の生活がもっと楽しくなるように知恵を出し合い、工夫してやってみる。その結果得られる達成感や充実感を一人一人が味わう。そして、一つ下の学年に、自分たちが楽しんでいるその姿を見せ、「楽しみ方」を伝えていく。各学年の担う「役割」と「楽しさ」のバトンを、このようにして順繰りに渡していけるようになれば、「2学期より もっと楽しい学校」をつくることができると考えています。私たち教職員は、3学期という「バトンゾーン」で、子供たちがしっかりとバトンを渡すことができるよう、共に考え、工夫し、導いてまいります。

 このような考えのもと、本年も、目指す学校像の実現に向けて、全力を尽くしてまいります。引き続き保護者、地域の皆様のご支援をいただきますよう、お願い申し上げます。

                         ※印…本校HP「校長室から」2021/06/07をご参照ください。